2005年07月

マイスターの国ドイツ

ドイツに駐在しているときの 一番大きい仕事のひとつ に フランスの国営企業トムソンの 中央研究所に 行って ビデオ テレビ を中心とする民生品の 新製品に どれだけ自社製品の電子部品を設計の段階から採用して 貰うかという仕事でした。その研究所は 黒い森  Schwarzwald のVilingenにあり昔のドイツSABAテレビ工場を フランス国営企業トムソンが買収したものでした。 ドッセルドルフから シュトットガルトまで飛行機で行って 空港のレンタカー屋さんで メルセデスベンツ500を借りて アウトバーン A81 号線を Singen方面に 時速200km に挑戦しながら 黒い森を ドライブするのも 楽しみの一つでした。

 日本の企業の場合 各部署を幅広く体験させ何でもこなせるゼネラリストを養成し 環境の変化に応じた人事異動が 多いが ドイツの場合歴史的にマイスターの国であり スペシャリストを養成し 人事異動は少ないように思います。

 例えば購買の担当者にしても セラミック担当 コイル担当 トランス担当 と別れており 何十年も同じ仕事をやっているので わが社の部品番号を 我々より よく知っており 諳んじて ペラペラと 口からでてくることには びっくりしたことが 何度もあります。特に 徒弟制度により修行してきた技術者の場合 英語の教育を全く受けていない方が多く 当然 管理者ではなく 会社の地位は低いので 最初はこの人たちは 表面にでてこず 英語を話すマネジャーしか会わないので 何も知らない我々は このマネジャーがすべて やってくれるものと思っていると さっぱり仕事が先に進まないことがたびたび ありました。 よくよく調べてみるとマネジャーは職制は上であるが 何の権限もなく 実際は このマイスターの技術者が権限を 握っていることが多いことがわかり その後 ドイツ語をマスターするに従って 直接この人たちと接するようになりました。

 最初は取り付きづらいが愛すべき人柄の人が多いのは日本と同じで 親しくなると思いもよらぬ協力をしてくれるものです。

 高電圧回路に使用する電子部品を欧州で販売するには  VDE規格の承認が必要でありますが 日本の 工場からその取得を試みると 2~3年を要することがありました。 我が愛する VDEのマイスターの方が たまたま その委員も兼ねていたこともあって その人に直接頼んで 2ヶ月で 承認が取れたことがありました。

ドイツ語で仕事ができて うれしかったことのひとつでもあります。



黒い森とボーデン湖の中間にあるドナウ河の源 Donaueschingen(ドナウエシンゲン)

私が毎月訪問した Villingen のすぐ近くでしたが帰りのシュトットガルト空港とは反対方向でしたので余り立ち寄ることもありませんでしたが 疲れたときに立ち寄ると これが雄大なドナウ河の源だと思うと不思議に元気がでてくるのでした。2001年家族でレンタカーでストラスブルグ・コルマールのアルザスに行った帰りにここに立ち寄りました。
独仏スイスの国境に近く1766年モーツアルトが10歳のときに12日滞在したそうで国際音楽祭があり 音楽関係者が訪問するところでもあります 。

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