2002年09月

はじめてのパリ (1)


ルイ14世像

私にとっての初めてのパリは 大変 みじめなものでした。
もう20年も昔の話 未だ私は国内営業を担当していた頃 私の担当した新製品の国内の見通しがついたのでその 欧州の市場調査を命じられた時のことです。ドイツの仕事も終わり来週はフランスへ移動ということになり その当時 パリには 事務所がなかたのでドッセルドルフ に 駐在していたGさんが アテンドしてくれることになりました。彼は家庭があることだし私は パリ見物がしたかったので 単身で 金曜の夜 パリの ホテルに泊まり土・日は パリ見物をして月曜の朝汽車の中で落ち合うことにしました。
翌土曜日の朝 カメラを持って 意気揚々とルーブル博物館に向かいました。地下鉄を降りて  ルーブルに向かう人たちの中で 日本人は私だけでした。その私だけをめがけて ポロライドカメラを持った男が大勢寄って来て写真を撮りましようかと 執拗に迫ってきました。 今はありませんが 当時 ポラロイドカメラで 人の写真を取って高く売りつける商売が欧州の盛り場で流行しており、ロンドンのピカデリーサーカスでも全く同じでした。そして日本人は現金を持って歩くので 狙われるのです。
 
拒否し続けて博物館の入り口にやっとたどり着いた時、その男は英語で『それではあなたのカメラで撮ってあげましよう。 ルイ14世は知っていますか?あそこに ルイ14世の像があるので あなたのカメラで 撮ってあげましょう。それならばノープロブレムしょう。 』というので それなら いいだろうと OK といいました。
30メートル程行くと その ルイ14世が馬に乗った像 がありました。その男が私のカメラで私の写真を撮っている間に あっという間に12~3人の仲間が寄って来て 私をめがけて ポライドカメラ」で写真を取っているではありませんか。こうなったら 観念して お金を払えば良いだろう と開き直って財布を取り出し瞬間…
その男たちが 札束を抜き取って脱兎の如く逃げて行きました。しばし呆然として立ちすくみました。財布には一枚の札束も残っていませんでした。それから ルーブルに入ったのですが初めての   そして あれほど あこがれていた 「ミロのヴィーナス」 「 モナリザ 」を見ている間にも あの男たちの顔がちらつき不愉快な気持ちだけが残って 観賞になりませんでした。ひとり寂しく高級ブティック街サントノーレ通りのホテルに帰りました。
月曜の朝早く パリ ・リヨン駅に行きました。ここは始発駅ですが 心配なので 定刻の1時間前に行き 苦労して切符を買い 駅のカフェーで 朝食でもと思って椅子に座ると ガルソンが 横柄な態度で寄ってきて そこには座るなという仕草をしながら 何事か云うので他の席に移るとそ こも又駄目だという。他のお客さんが 堪り兼ねて抗議をしてくれましたが 首を横に振るので又席を移ってやっと朝食にありつけました。今だったら 『どうして他の人は良くて 私は駄目なのか』 と 自分で抗議をするところですがその時はフランス語は全くわからずみじめな思いをしました。当時TGVも未だない時代でした。今回 Dijonに行くのでリオン駅に寄りました。カフェでのサービスはすばらしく当時の面影はありませんでした。

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